観天望気の心 武蔵気象の会11/17/2012

 8月終わりから打ち合わせを重ねてきた「気象の会」が30数年ぶりに開催されました。1928年の創部以来、在籍者はおよそ304名。時の流れとはいえ、すでに100名以上の方が雲の上に住まわれています。
 あいにくの雨天(これも気象部らしい)にもかかわらず参加者は予定通りの48名。最年長の15期90歳の超大先輩から現役の高校1年15歳までと、年齢差はなんと75歳! 初対面、30年ぶりとさまざまな出会いがありましたが、気象という身近であり、かつ奥の深い世界と青春時代に関わってきた者どうしのふしぎな絆を感じました。


※司会進行は33期端達夫氏

発起人代表あいさつ 31期山中達雄氏

 この会が開催されたのは、練馬アメダス観測所として東京の気温をはじめとする気象情報を伝えてきた校内の施設が、周囲の建物の影響で石神井公園北側に移転することになったためです。現在はアメダスによる自動観測ですが、それまでは気象部員が毎日、日曜日も夏休みも午前9時10分〜20分に露場と屋上で観測を行ない、それを気象庁に報告していました。
 呼称も以前は東京喚管区象台中新井観測所であり、国が認めた高校生が運営する観測所だったのです。したがって、この観測所が移転してまうのは、われわれにとっては、とっても大きなできごとなのです。

※19期坂本雄吉氏によるKeynote Speech


22期荒牧重雄氏によるSpecial Lecture
 今日は、ただ想い出話と飲み食いするだけでなく、世界的地震学者の荒牧重雄先生の特別講話もあり、非常に刺激的でした

※乾盃発声は22期永渕澄夫氏
※以下は懇親会のようす






集合写真


※現役部員紹介

※当時最年少15歳で気象予報士試験に合格した75期藤田智氏

※元校長大坪秀二先生ごあいさつ

※元校長・顧問小林奎二先生ごあいさつ

 観天望気ということばがあります。「夕焼けの翌日は晴れ」はその一例ですが、この観天望気こそが気象観測、気象という学問の基本といえます。コンビューターもいい、確率予想もいいのですが、空を見て風を見て、肌と目と耳で感じる気象を忘れてはいけないでしょう。
 大先輩の坂本雄吉氏も元顧問の小林奎二先生も、そのことを強調されていました。
 地球環境問題をはじめとして、気象という分野はこれからより重要になっていくと思われますが、そのなかで人間としての観天望気の心がたいせつになるのだと参加者一同確信した次第です。